先週でんぐり返って出て行った

yeup2004-10-23

 あの子のために何かを信じようとするのだけれど信じるということは意外に難しく不安定な場所でずっとバランスを保って待ち続けなければならないような感じ。まるで苦行僧みたいだったり殉教者みたいだったり。それともサーカスの玉乗りみたいかもしれない。信じ続けるということは反面疑い続けることととても近しく、それだからいっそもう信じることを投げ捨てたくなるのだけれど、でもやはり何かを信じたいという気持ちはまるで原罪と同じように誰の心にもしっかりとあり続けるからそれが厄介の種。

 朝ごはん。干し葡萄を入れた蒸しパンを作ってコーヒーと一緒に食べる。ねぇ、むしぱんって虫が入ってるの?ってあの子がまじめにわたしに言う。窓から差し込む低い朝日と笑いにわたしの目は細くなる。それからあの子達が幸せでありますようにってそっとつぶやく。
 そう、先週でんぐり返って出て行った。