甘い曇天

yeup2005-01-23

 今日は曇天。曇天と天丼とどんべぇはたぶん親戚きっとそうだといいのにな、なんて切なる願いを込めながらこの間買っておいた薩摩芋をオーブンレンジで焼き芋に。
 200度の余熱で1時間弱甘ーい香りが部屋中に漂ってきてさ、掃除機ヒーロー役のわたしも怪人役のあの子も戦闘中ながらちょっとどきどき。ぴっぴっぴっ調理完了の音でこっそりオーブンをあけて中をのぞいてみたらば、ほらもうすっかりこんがりしっとり焼きあがり。ひとつ試しにとってみて半分に割ってみる。石焼芋さながらこの皮にくっついた実のところがおいしいんだよねなんて言いながら小さなお皿にティースプーンと一緒にお芋をころんと転がして「さぁ、怪人さん戦闘は一時休止です、座ってください」そしたらあの子はわたしのお膝にすすっとはいりこんで、あれれさっきまでの強くて悪辣な怪人はどこへ行っちゃったの?って、わたしはすごくおかしいんだけど笑っちゃうとあの子のプライドが傷つくでしょ。あの子はとっても微妙なお年頃。甘えたいやらプライドは芽生えるやら、やっぱおかしいくすくすくす。それにしたって甘いお芋。すごくしっとり焼きあがって今まで作った焼き芋の中の最高傑作かな。
 「どうおいしい?すごく甘いね」って言いながらあのこの顔を覗き込んだらとっても満足げに頷いてる。
 ねぇ、あのねお芋がおいしくて満足してるの?それともお膝に座ってることに満足してるの?大体最近じゃあなたがわたしのお膝に座ると全然前が見えないのです。そう言いたいのを我慢して手探りでティースプーンを操るわたし。甘い曇天。