ウイルス性のいぼの話

 あの子の指にウィルス性のいぼができたのでそれを取ってもらうために皮膚科に行く。インターネットで「地名プラス皮膚科プラスいぼ」で検索。

 風除け室を通り玄関を入ったすぐ左手にある受付に、すごーくビューティフルなレディが座っていて「初めて受診するんですけど」というわたしに、目を合わせるのも気がひけちゃうくらいすばらしいマスカラつきの睫と笑顔でてきぱきと応対してくれる。ビューティフルな上にエレガントでおまけに感じまでいいなんて・・・100%のうちほんの12%くらいの違和感。きっとこのビューティフルなレィディはこの医院を経営する皮膚科医師推定37歳の奥様に違いない。心の中でひとり勝手にそう決め付ける。こういうのってきわめて庶民的な偏見なのかもな。ははは。わびしく笑う。


 いぼ治療の方はというと、アルミ製のマグカップに入れられた何かしゅうしゅういう恐ろしげな液体窒素というしろものに綿棒状のものをつけこれをそのままあの子の指先のいぼへぺとぺとと数回塗布するという勝手に想像してたものよりもかなり原始的な方法であっという間に終了。これを3回から4回くらい繰り返します。ここに説明がありますからと説明の書かれた紙切れを医師から手渡され、もちろんその紙切れにはその医師のプライベートな携帯電話の番号とかデートの誘いの言葉とかが書かれているといったこともなく、めでたく清算を済ませ皮膚科を後にしたわたしは、帰り道の車の中、あの時あの診察室にいた看護士さんは一体いつの間にあの生ビールが入っているように見えなくもない液体窒素の樽みたいなものから液体窒素をアルミ製マグカップに移したのであろうとそればかりをたたひたすら考え続けていたのだった。


 つづく・・・なーんて。つづかない。