エンドルフィン

 午後五時。遊びに行ってたあの子が帰って来る。外は雨降り。あの子のからだや洋服からも湿った雨の匂いがする。お汁粉食べる?昨日の夜煮たお汁粉を温めて白玉をたくさん入れてあげる。あの子は2杯食べてそれからわたしとおしゃべりして、その後ころんとホットカーペットの上にいっしょに寝転んでそっと背中を撫でてたらいつの間にかすやすや寝息を立てていた。おでこをそっとあの子の頭に近づける。あの子の髪の毛の感触とやわらかな体温がわたしの脳をエンドルフィン漬けにしてしまう。今この瞬間に世界が滅びてしまえばいい。だってそうすればわたしは完全に幸せのまま。