つぶやく

 無理やりこじつけて作り出したみたいなひどくつじつまの合わない瑣末な用事でドアをコンコンってノックして入ってくるからそれは恋愛ですか?って臆面もなくビジネスライクな顔で訊いてやろうかなって誘惑に駆られつつわたしってとんでもない自惚れ屋なのかもねっておかしくって笑う。だけどそれがたとえ恋愛にしてもティーンエイジャーの頃みたいにどきどきを楽しんだりできる期間はほんの少しで結局先にあるのはセックスだからそういうのはもういいかな。すごく素敵な男の子だけど風のように去って行って。そうつぶやく。