まわるまわる

 どうも我儘で、あの人のここが嫌いあそこが嫌、ほんとに頭が悪いんだから、せこいんだから、考えが足りないんだからなんて、そんなことばっかり思っちゃって、一日終わってベッドに入って灯かりを消したら反省しきりな毎日。しかし反省が今一生きない毎日。問題なのは反省をきちんと自分の中で噛み砕くだけの時間がないことというか、そういう毎日から充分に隔たった距離時間を確保できないこと。忙しい、というよりは慌しい、というよりは余裕がない。

 いつもいつも思うのだけれど、誰かが何かにすごくこだわる、こだわる傾向があるのだとしたら、大抵そのこだわる部分というのは、その人のコンプレックスに深く関係している。だから誰かが何かにすごくこだわっている時は、それがひどくくだらなくとも、馬鹿げてると思おうとも、静かに耳を傾けて相槌を打ってあげるべきなんだろう。だけどその明らかに透けて見えるコンプレックスを、隠そうとして隠し切れず、それでも無意味に取り繕い、取り繕いきれないくだらなさが見ていて嫌だ。嫌だと感じる我儘さ。反省。しかし生きない。それでも反省。回る回る。