世界のてっぺん

            
 ぴかぴか輝くイルミネーションに埋もれた夜の遊園地。愛想のいいルドルフがスキップしながら駆けてきてハイタッチで挨拶をする。敷石の上に跳ね回る青い光のイルカを夢中で追い掛け回してるあの子の姿は信じられないくらい幸せそうでまるで幸せの権化みたい。ちょっと照れくさい。最後に乗った大きな観覧車が輪っかのてっぺんにまでのぼったらそっとささやく。「ねぇ今年の誕生日が9年間で一番ステキな誕生日になったね」って。
 「ほら今が世界のてっぺんだよ」あの子が嬉しそうにわたしにささやく。